[追悼] クラウディオ・アバド (Claudio Abbado) の遺した名演奏を振り返ってみた。

巨匠、逝く。クラウディオ・アバドってどんな人!?

フルトヴェングラー、カラヤンに続きベルリンフィルの芸術監督を務めるなど、名実ともにクラシック界の巨匠だった指揮者、クラウディオ・アバドが、2014年1月20日に永眠されたとの報に接しました。享年80歳。心から追悼の意を表明いたします。

今日は、彼のことを知らなかった人も、この人すごいなとかクラシックいいじゃんとか思ってもらえるように、いろんな角度から書いていこうと思います。

まずBGM用に、マーラー交響曲第5番第4楽章。美しさの極み。

みずみずしくのびやか、そして緻密で豊かな音楽。

本当に美しい音楽を創る方でした。アバドの名は一般の日本人には馴染みがありませんが、世界ではカラヤンと同じく超有名人です。ベルリンフィル前任のカラヤンは、クラシックを大衆に広く親しませた一方で、その音楽スタイルは商業的とも評されます。一方でアバドは、その曲が持つ美しさを丹念に引き出すインテリジェンスとテクニックを兼ね備え、完璧な音楽を創っていました。クラシックの世界を知るにはまずカラヤンを聴いて、その後でアバドを聴くと良いでしょうね。

初めてのアバドは、マーラー9番でした。

僕が初めてアバドを知ったのは大学時代。東京の友人が住む古くて汚い寮でマーラーの9番を聴き、度肝を抜かれたことを未だに覚えています。これをコンサートホールで聴いたら感動でしょうね。

Amazonレビューの中に、この録音をライブで聴いたと思われる方のコメントが載っています。真偽の程は不明ですが、演奏を聴けば十分に納得できます。

この演奏会を幸運にして聴くことができた私はなんと幸せだったことだろう。推進力がありながらも決して軽くはない音楽を引き出すことで、曲自身の持つ素晴らしさを聴き手に提供してくれた。
本当に良い曲はそれだけで聴き手に感動を与えてくれる。この演奏会はその成功例だった。それはアバドとベルリンフィルのメンバーが、互いに意識をして、フレーズを長くとることに成功したからだと私は思う。
(中略)
この演奏会は進行していくに従って、舞台も客席もなんとも言えない雰囲気に飲まれていったのを思い出す。最後のヴィオラの音が消えて瞬間、満席の会場には完全な無音状態が存在したのだ。あの雰囲気をライブではなくCDから感じるのは難しいかもしれないが、一人でも共感していただければ幸いだ。
– Amazon レビュアーの名言

YouTubeには、1986年にアバドが設立したグスタフ・マーラー・ユーゲント管弦楽団による演奏が載っていました。ウィーンに本拠を置く、26歳以下のユース・オーケストラ。この美しい演奏をしているのが全て同世代の若者だなんて!本田圭祐も凄いけど、彼らも凄いです(笑)

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右のサイトをはじめ、クラシックファンの間では、マーラーといえばバーンスタインだなど言われています。確かにそれも分かります。でも、いいんです。僕がマーラー聴いて素敵だなって思ったのはアバドなんです。ありますよね、そういうのって。思い出の一曲ってやつは、なかなかどうして忘れられないんでしょう。

名演揃い。拾い物を一挙に紹介します。

次はマーラーの「巨人」。

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